指揮のレッスンで弾く

今回依頼された指揮のレッスンでのピアノ参加も最後で、終わってしまうとやっぱり残念というか、淋しいような気持ち。

久しぶりに指揮のK先生のレッスンに関われて、素晴らしい時間でした。改めて、先生のレッスンは指揮者の為のものであると同時に、しばしば音楽の原点に帰って考えさせられる、または気づかされることの多い時間だと、感激を受けました。K先生、ついこの間(10月9日)に75歳になられたとは思えないオーラ、回転の速さ、外見もキリリとされていらっしゃる。・・・指揮で既にご活躍の方が先生のアドヴァイスを受けにいらした場で弾かせていただくという、私にとっても大変刺激的な機会でした。もちろん、緊張感たっぷり。

 

一方で、ここ何年か自分が音楽に向かいながら感じてきた事はやはり大事だった、正しかったと、先生のレッスンと言葉を通じて納得できる瞬間もあり、それは嬉しかった。けれど、そんな内容も、先生の口から聞くとますます説得力を帯びてくるから・・・すごい、というか、先生はやはりベテラン、マイスターだ。。

 

例えば・・・

- 指揮では、一回ごとに「弛緩」をすること。(いえ、考えてみると、何をするでも同じ)

- レガートのフレーズの際は特に、歌う際のように、音を一つ一つでなく、一つの音がずっと連なっていると考えるとイメージしやすい。(これは、特に歌う上で大事だけれど、やはり楽器を弾く際も同じですね。)

- エネルギーはいつも内側から。外側の動きはそれに付いてくるものである。(これも何でも共通だ。)  

- いつも「歌」をイメージして!呼吸!

 

そして、なるほどと思ったのは・・・

- 指揮棒は手・腕の延長線=一部であるとして練習すること。始めのうちは指揮棒の先で譜面をめくってみたりするのもその感覚を得るに役に立つ。

- オーケストラ奏者が指揮者の目からもエネルギーを感じるのは大事である、また呼吸を考えても、振る(打点?)高さがあまり高くならないように。

 

こうして読んでみると基本的な事柄に思えても、いざとなると夢中だったりして気付かずに・・・という事もありがちなもの。・・・そして、先生の素晴らしいのは、何でも「シンプル」に説明して下さって、それからすぐに良い見本も悪い見本もサッと実際に見せて下さるのです。

 

・・・まだまだありましたが、また追々まとめたいと思います。

 

 

一つ終わると、ちょっと気が抜けて淋しいですが、バイロイトでのメンデルスゾーン・エリアス(エリア)の次の稽古とコンサートがすぐなので、すぐそちらに集中しないと。美しい音楽なので、どちらにせよ関われるのは大変嬉しいのだけれど、指揮に対応する事が問題無いだけでなく、折角の機会、やはり音楽を「知っている」と言えるようになりたいもの。

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