ドキドキ、電車の旅。

221日(木)夜はバイロイトでフィルハーモニー合唱団の稽古があった。カルミナ・ブラーナ。(合唱団と関わるきっかけ→★)

 

前回の稽古(21日)では到着するや、指揮者が遅れてくるから今日は発声練習をお願い、と合唱団の責任者から言われたので今日はどうだろう、などと考えながら向かった。19時半からの稽古だけれど18時半到着予定の電車で。もし何かあっても次の1855分に着く電車もある。

1回目の乗り換えの後しばらくして、さあそろそろ次の乗換駅のホーフも近づいてきたかなという時間だったが、どういうわけか一向に着く気配が無い。しかし何もアナウンスも無く不安な気持ちを抱えたまま、とうとう電車は30分遅れてホーフに到着。一緒に降りた乗客も、何の説明も無かった、と納得の行かない顔をしていた。・・・そして。・・・ホーフで待っているはずの乗継電車はもちろん、次の電車にも間に合わなかった事がわかりました・・・。もし、次の電車でバイロイトに向かうとどうしても稽古に少し遅れてしまう。ショックそしてとても悲しい気持ちで、仕方ない、ホーフ劇場からバイロイトに向かう指揮者さんに一緒に車に乗せていってもらえないか聞いてみよう、と電話。と、どうやらその日コーラスの常任の指揮者さんは緊急の用事で遅れるとかで、変わりに別の指揮者さんに稽古に向かってもらうよう頼んだところだということ。幸い、その別の指揮者さん(前にも一度お会いしたことがある)がホーフの駅まで迎えに来てくれて車で一緒にバイロイトの稽古場まで向かうことができた。・・・電車で向かうとバイロイトの駅までで1時間、車だと4550分ほどあれば稽古場に着く。全く、不幸中の幸いでした。

 

この日、この指揮者さんが稽古のはじめに団員達に発声練習をしていたけれど、これがコンパクト+効果的な感じで、参考にしたいな、と思った。「ハイ、まず、リラックスして。とにかくリラックスしてくださ~い。」で始まり、「笑って。笑うときに身体一杯で笑って。」「口の中で舌を動かして。」「ハミングして。アツアツのジャガイモが口に入ってるのを想像してね。鼻の裏、額のあたりをも意識して。」「グリッサンドで行ったり来たり。」「N子音とUまたはO?を組み合わせ、Nの位置で母音も歌う」などなど。

 

夜は合唱責任者のパウラさん宅に泊めていただいた。ピッツァをご馳走になったあと、赤ワインで話がはずんだ。

次の日の朝はパウラさんの旦那さんの車で駅まで送ってもらい、7時半の列車でヴァイマールに向かった。

 

2009年か2010年に(調べます)ホーフというオーバー・フランケン地方にある街の劇場で3か月間代理コレペティの仕事(子育て休暇の人の為の)を引き受けた。その時指揮を振った音楽監督/指揮者さんの指揮、音楽、その時のメンバーや劇場の雰囲気もとても素晴らしいと思った。その時私と一緒にゲストとして呼ばれたソプラノ歌手のウルシュカさんとは大の仲良しになり、その後もずっと交流が続いている。スロヴェニアの人なのでなかなか会えないけれど、都合さえつけば、いつでも会いたいと思う。そして、契約期間が終わる頃、指揮者さんにお礼の挨拶に伺い、仕事を頂ける可能性は無いのか、もし何かあれば是非やる気がある、等伝えた。残念ながらそれきり劇場でのまとまった仕事は頂けなかったけれど、彼が受け持つアマチュア・コーラスを伴奏する気があれば、と言われた。でも、その稽古場所がバイロイトと知り、ヴァイマールから毎週通えるわけはない、親切で言ってくれた冗談だったに違いないと思い、しばらくその事は忘れていました。それから半年程経った頃か、滞在許可の件でピンチに追い込まれました。その頃持っていた滞在許可証は、音楽関係の仕事をする・契約をもらえる事によってのみ滞在が認められるものでした。いつも仕事の契約が喉から手が出るように欲しかったけれど、一つ終わってハイ次と言うようにいかない事もあり、いよいよ期限もせまって、どうしよう、と思いました。そんな時、その合唱団の話を思い出し、指揮者に連絡を取ってみて、それが冗談では無かった(!)事も分かったのでした。電車で片道34時間と少し遠いけれど、毎週では無く、コンサート1カ月前位からが大体なので、他の仕事とも掛け持ちが出来ました。始めてみて色々な発見も。何より、優秀な方の元で音楽作りや稽古を体験できるのはとても勉強になるし、アマチュア・コーラスの人達がどんな風に、どんな問題を抱えて音楽と向き合っているのかを垣間見る事ができる。メンバーの大多数は仕事帰り、退職後の方たちが多く、雰囲気がとっても和やかなのも素敵だと感じました。

・・・話が長くなったけれど、そんなわけで、ここ何年か時々その合唱団の伴奏に行っています。何回かは指揮者の都合で団員の為に発声練習をもしたり、時間が許せばコンサートで一緒に歌ったり、オケでチェンバロを担当したことも。今度33日の公演の要であるオルフの「カルミナ・ブラーナ」ではオケの第2ピアノも担当します(ブレーマーハーフェン劇場でもやはり第2ピアノを弾いたので、それ以来2回目)。

 

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