土曜日。稽古、レッスン、コンサートの長い一日。

2013年2月9日(土)

土曜日ももう終わり。

矢のような一週間。。

 

朝はベルリオーズ(から騒ぎ/ベアトリスとベネディクト)の稽古で始まった。

私は男声合唱の稽古で弾く方に割り振られていた。はじめに舞台で演出家のガビ(ガブリエル)から皆に説明があったあと、私達男声合唱チームは部屋を移動。演出アシスタントのヴァレンティン君がいつものようにパキパキと動きの指示を下し、こちらの稽古はほどなく終了。

さて、舞台組の方の稽古も覗きに行ってみた。ガビが、「いいわよ。」「もうちょっとこうしてみて」「もう一度~」などと言いながら、ワンシーンを何度も繰り返す様子が窺えた。ピアノはセバスティアン君が担当していて私の出番も無いので、空いた部屋で短時間自分の練習をし、社員食堂へ。

 

社員食堂で、休憩時間らしい(または待たされ組・・・)仲間と一緒になった。「元気?」と声を掛けあいながらも、皆、思い切り疲れ切っている様子。いつもほがらかなウルリカでさえも「今まであんなに時間があったのに・・・彼女(演出家)にアイディアが浮かばなかったから・・・」とブツブツぼやいている。(^_^;) 思えば、12月から演技の稽古が始まってもう2月。あと1週間で初日!・・・私は音楽のみ担当だから楽な方。彼女ら舞台で演技をする人達は、今から指導された演技を初日までにしっかり覚えなきゃいけないんだから本当に大変。

本来ベルリン在住のテノールのエリック君は、ここ何日か、娘で8歳のフィオナちゃんを劇場に連れてきている。フィオナちゃんは、お父さんの稽古中おとなしく待っている。いかにも現代っ子らしく、耳にはヘッドホン、そして何か小型の(、、もしかしたらi-podとか言うやつ?)機械でビデオを観るか音楽を聴いているみたい。劇場の人がちょっと話しかけるとものすごく恥ずかしそうに俯くか、逃げていってしまう。ところが今日、お父さんのエリック君が、最近流行っているらしいドラマか映画について質問すると、とたんに目が輝いて、終には自分から登場人物について語り出して・・・。ウルリカも私も目を見合わせた。子どもには時々びっくりするなあ。・・・思えば私も小さい頃ものすごく人見知りしました・笑。

午後、しばらくぶりでグドゥルンに会った。今日は彼女に歌のアドバイスをお願いしてあった。いつか彼女が言っていたけど、私達は2002年以来、交流があるらしい。そんなにもなるかぁ・・・!

その後帰宅。何だか一週間の疲れもどっと出てきて眠り込んでしまった。実は、今日は中国で新年を祝う日らしい。ヴァイマールの音大時代からの友人(中国人・メゾ・ソプラノ)のバオから、彼女の愛弟子の出演する新年祝コンサートを企画しているから是非来てと誘われていた。・・・夜19時半から。ヴァイマールではなくエアフルトで。ということは。・・・まず駅まで25分くらい歩いて、それから電車に乗って、それからエアフルトの駅からSバーン(路面電車)に乗って・・・(-_-)。いつしか目を覚ますと思い切りダルさが襲ってきた。だめだこりゃ~と思って、とうとうバオに「残念だけど今日は体調も良くないし無理」と携帯電話にメッセージを送った・・・が、途端、バオや出演する彼女(何度も伴奏してあげている)顔が浮かんできた。そして、バオはもうすぐ中国に完全帰国してしまうんだ、と。「う~ん、これはやっぱり」と、出る体制を整え、足早に駅へ。

コンサートはエアフルトの駅から路面電車で3駅目のFischmarkt/Rathaus(魚市場/市役所)で降りてすぐの、古い市役所の中の豪華なホールで催された。コンサート受付の前で、1年半ぶりくらいかでアレックス君とばったり再会してお互いにびっくり。彼とは、毎年夏の期間コレペティとして働かせてもらっていたオペラスタジオで知り合った(その時の参加者)。台湾生まれだけどロンドンで生活している彼は、この夏からまたヴァイマールに来ているという。・・・その彼と並んでコンサートを聴いた。

コンサートはまず中国のお正月についての説明に始まり、前半は主に中国のメロディ、後半はヨーロッパの、という構成で、ピアノ独奏、ヴァイオリン独奏、そして、テノールとソプラノの独唱や2重唱。

・・・ついつい、自分がコンサートをする機会があったら・・・日本の曲とドイツ語の、またはヨーロッパの曲との組み合わせも可能だなあ、などという想像も。

 

・・・自分がいつも歌の伴奏をしているので、伴奏を聴く機会があると、やっぱり一生懸命聴いてしまう。今日のピアノの彼は、歌の伴奏には慣れていない人だった。ピアノ・ソロの時はあんなに華麗に堂々と弾くのに、歌の伴奏となったら途端にものすごく不安そうで、タイミングも掴みにくそうだった。コンサートの締めの曲らしいラ・トラヴィアータのリビアーモ2重唱など、ずっとハラハラ・ドキドキさせられた。幸い、2人の歌手が立派に歌い上げてくれました。

・・・こういう演奏を聴くと改めて思うのは、歌の伴奏って慣れもあるし、それを専門として勉強したかしないかではやっぱり違いがあると言うこと。でも、時々日本の人から聞く話では、日本ではまだまだコレペティという分野が一般的には広まっていなくて、ピアノのソロを修了して伴奏経験を積んできた人がオペラの分野でも活躍しているケースが多いという。ドイツでは、コレペティを勉強した人を求める仕事はどこかしらにはあるけれども、日本では果たしてどうなんだろう。

 

コンサートには、ワイマールの外国人局で良くお世話になった女性や、音大時代の歌の恩師もいらしていた。皆、明日の「餃子パーティ」に来るという。さぞ賑やかになるだろうな。・・・それにしても、コンサート、行けて良かった!

 

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