稽古

2013年2月8日(金)

朝、窓から外を見ると、綿雪がフワフワと降りしきって、まるでホワイト・クリスマスの様な眺めで、思わず、わあっと声が出ました。

福島から、両親の荷物が届いた。ちょうど母から「もうそろそろ着くころよ」というメールを受け取ったところでした。靴下、おせんべい、振りかけ、お菓子など。母の手紙も入ってました。早速電話を掛けて「届いたよ、ありがとう」と伝えました。

午後。

ワイマールの劇場の合唱団員(テノール)のJ君とはもうかれこれ何年も一緒にArbeitenしている。彼には自分の歌を見てもらったりコレペティや伴奏者としてコンサートやオーディションの準備の手助けをしてくれる仲間が何人か居て、私もその中の一人として彼と長く関わっている。今日は、今度コンサートを引き受けるかどうかまだ検討中、というJohannes-passion(ヨハネ受難曲)のテノールのアリア2曲、アリオーソ1曲。

 

楽譜のコピー。

 

 

夕方から、ベルリオーズのプローベ。今日は舞台ではなく稽古部屋で。演出家さんは未だに演出を考えている様子。あと8日後に初演(!)だから、いくらなんでもゆっくり過ぎでしょうと思うんだけど。

この演出家の人(ゲストとしてこの作品の為に招かれた)は、聞くところによると演劇が主に専門の人らしい。オペラ・ハウスの演出家には、主にオペラの作品を演出する人と、いつもは演劇専門だけど今回はオペラ、という人とがいる、と誰かが言っていた。今回ワイマールの劇場では、このベルリオーズのコミック・オペラ「から騒ぎ(ベアトリスとベネディクト)」をオペラ歌手と演劇の人の合同出演で、主役3人は歌と演劇の人が2人一体となって役を作る、というアイディアを取った。この作品にはディアローグ(会話)がとても多い。シェークスピアの「から騒ぎ」という戯曲を元にベルリオーズがオペラを作ったのだから当然なのかな。そして、この演出家は、演劇専門の演出家には特有という、ディアローグの部分を練って練って作り上げていくやり方で、時間がものすごく掛かる。「もう一度!」「うーん、じゃあこうやってみて」「あなたはどう思う?」「”試しに”やってみて」そんなセリフがしょっちゅう出てくる。正直言うと、今回の作品の稽古では音楽をしたよりも待ってる時間の方が長かったんじゃないか、と思うことが多かった。・・・今日も。

・・・でも、本番も押し迫っているだけあって、その練り方にもいつもよりも気迫が感じられる気も。演劇の人の稽古の時は私達音楽隊(特に指揮・ピアノ)はひたすら待ってばかりだけど、今日のあるシーンは迫力そのもので、演劇の人の演技に吸い込まれ、思わず拍手をする人もいた。

 

Write a comment

Comments: 0